◇イタリア人と日本人:塩野七生さん: Italian and Japanese.1 Nanami SIONO◇
はじめに
「イタリア人と日本人」なんて大変なタイトルをつけてしまって、実はどうしたものかと悩んでいます。
しかし私にとっては(イタリアに関心をお持ちの皆さんも、でしょうが)イタリアの物や歴史や文化といったことへの関心は、ひいてはイタリア人(またはイタリア人の考え方、イタリア的発想)への関心に他ならないとも思うのです。
もちろん私が直接関わった経験だけで、日本人を論ずることもましてやイタリア人を論ずることなど出来るはずがありません。
ですからあくまでこれから此処で書いたり論じることは私の「私見に過ぎない」ことを予めお断りしておきます。もし不愉快に思われたり、「それは違う」と感じられたことがあれば遠慮無くご指摘下されば幸いです。
I am puzzled my brain about the theme of "Japanese and Italian",how to start it.
But my interest of Italy in articles,culture and history can be said the interest to Italian people or Italian way of thinking, in other side.
Of course I can not comment easily about Japanese and Italian only by my experience. So please know that this column is only my personal opinion.
If you might feel unpleasant or disagreeable to what I say,please do not hesitate to tell me your opinion.
「塩野七生(しおのななみ)」という作家の名前は聞かれたことがあるでしょうか?
御存じの方にはいまさら、の大先生と云っていい方ですね。(因に御存じない方に申し上げますと女性です。)
イタリアにもう30年以上住まれて、何といっても現在進行中の大作『ローマ人の物語』(全15巻の予定の大著で現在第7巻まで刊行されています。)の作者として有名な方です。
私が塩野さん(なんて親しげに呼ばせていただきますが)の作品にはじめて出会ったのはまだ3年程前のことです。「ローマ人の物語II」を書店で手にしたのがきっかけでした。
なぜ「I」じゃなく「II」だったかといいますと「I」が売り切れてたんです!
でも面白そうだったので「ローマ人の物語」を私は「II」から読みはじめました。
で、いっぺんに引き込まれたんです、よく云われる「七生ワールド」に。
塩野さんの精細な資料調査から描かれた作品によみがえるローマ世界の鮮やかさ、これはもう映画を見ているような感覚で一気に引き込まれました。2千年まえの人間達が今目の前で動いているような、読み物から(本当に面白い読み物から)脳細胞に伝わる心地よい興奮にしばし陶然とした気分になったものです。
もちろんその後「ローマ人の物語」以外の塩野さんの作品も読むにつれますます「血中塩野度」が上がって現在に至っています。
塩野さんにはすでに相当のファンがおられますから私など全くの”駆け出し者”に過ぎないわけですが、それでも「日本人とイタリア人」という見出しで自分なりにホームページ上で何かを語る上で塩野さんのことが頭に浮かんだのです。
塩野さんの書かれたものを読むと、ご専門の歴史ドキュメンタリーであれエッセイであれ、何か「現在の日本と日本人に対する不安(もしくは懸念)」が強く漂っているように感じられるのは私だけでしょうか?
イタリアに30年以上住まれてイタリア(ヨーロッパ)的価値観をもつ人達の中に身を置いた日本人の目線で、今日の日本の状況に鋭く警鐘を鳴らされているように感じられてならないのです。
「日本人が日本人としてしっかりしなければ、外国から認めても尊敬もしてもらえませんよ」という当り前のことを実現していくにはどうしたらいいか、というテーマを考えていく上で私には塩野さんの作品がとても大きな存在であるように思えてなりません。
Do you know Japanese author Nanami SHIONO?
There are already many many "apassionato" =passionate Japanese
funs of her works.
She is very famous with her historical grand novels " Stories of Roman",will
be continued to chapter 15,now just published up to chapter 7.
She has been living in Italy for over 30 years,for achieving her life work of stories of Mediterranean world.
I met with her work around 3 years ago,I soon lost myself in her book and was strongly dragged into "Nanami world"!
After reading her book either her special Historical stories or essays,I feel often somehow her anxiety to today's Japan and Japanese.
Ms. Shiono has been warning to us Japanese from her point of view as "a Japanese in Italy=European world" about our Japanese identity and the thinking way.
I think the existence of her works is very important for us Japanese for thinking about how we could be widely recognized or got respects in the world as Japanese.
そんな塩野さんが今年一時帰国された6月、「朝日ヤングセッション」で講演されたことは御存じですか?(残念なことに東京で1回だけだったようです。)
私は講演後に新聞でその講演録が協賛企業である協和発酵工業より刊行され、申込をすれば頂けることを知って早速申し込みました(ようやく昨日届いたばかりです)。一気に読みました。
私の中学生の息子にも読ませるつもりですが、日本の未来へ向けて塩野さんが語る会場の若者達への愛情ある指摘の数々が今日の日本全体に共通する課題の様に感じました。
私は「協和発酵」の関係者でも焼酎愛好家でもありませんが、今日の日本の状況下で塩野さんを講師に選んだセンスには拍手を送りたいと思います。(さらに冊子は無料配布です!)
日本の企業メセナもこういう形で長く続くといいんですが。
冊子(講演)の題は「21世紀にどう入っていくか」です。
*The book of her "How do we enter 21st century?" is published recently as a commemoration of her lecture of Asahi Young Session in this June in Tokyo,as the same title as the book. Publication is sponsored by KYOWA HAKKO KOGYO CO.
Text in Japanese only.
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